バイオ産業拠点推進会議にて

こあら

2010年09月25日 02:25

昨日は【福岡県バイオ産業拠点推進会議総会】(主催:福岡県バイオ産業拠点推進会議事務局)の司会をさせていただきました。

これは、毎回担当させていただいている仕事のひとつです。

昨年、会長の杉岡洋一先生が亡くなられ、新会長に、味の素(株)の副社長でいらっしゃる戸坂修さんが就任なさいました。

今回は、特別講演として、戸坂修さんのお話を伺うことができました。

お聴きしていて、何度も涙がこみあげるほど感動したので、ご紹介させていただきます。

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戸坂さんは2001年に、味の素の取締役九州工場長にご就任、
その時のミッションは「九州工場をスムーズに閉鎖させること」だった。

しかし、従業員や地域社会のことを考え
『閉める苦労をするなら、存続のためにどんな苦労もできる』
と思い、戦略を立てたうえで、社長や経営陣に存続の直談判をした。

決定していた九州工場閉鎖を白紙に戻すことは容易ではなかったが、
社長の『これが改革だ!世界104工場のモデルになれ!』の一言で存続が決定。

社員には自分の想いを伝えた。
『自分たちは崖っぷちにいる。自分の職場は自ら守る、自分の仕事は自らつかみ取る!』と。

そしてプロジェクトを立ち上げた。

戸坂さんの考えは
『人を真ん中にすえること。「ひと」がいれば何でも出来る
「希望」があれば、苦労もできる』


『目標を高く持ち、「やれば出来る」という自信を芽生えさせる。
“やらされ感”のあるうちは、できない理由や延ばす理由ばかり考えてしまう。』


『リーダーは徹底して我慢すること』


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社員は戸坂さんの想いにこたえるべく、一生懸命努力をしたそうです。

戸坂さんは、明確なビジョンと高い目標を持ち、不退転のリーダーシップで
約3年間で、コストを1/2にし、収益を3倍にして、見事、再建を果たされました。

その3年の間、定年で退職を迎えた方はいたそうですが、
“解雇”された社員は一人もいなかったとのこと。


『高い目標を持つことは、期待が大きいということ

 期待の大きさは、成長への想いの強さ』
と語る戸坂さん。

再建の過程で『抵抗勢力は自分自身だった』ともおっしゃっていました。

社長への約束を見事果たした戸坂さんは、
『やってよかった。人も育った。
 ちゃんとやれば、どんなことでもなんとかなるものです』


原点は、モノづくりはヒトづくり。

 トコトン継続すること。

 自然体で「日々改善」「日々実践」』
という言葉で講演を締めくくられました。


戸坂さんは、久留米市のご出身で、現在63歳。

私の文章でうまく伝わったか、自信がありませんが、
こんな素晴らしいリーダーがいらっしゃるのだと感銘を受けました。

講演後、戸坂さんに走り寄り、ブログ掲載の承諾をいただき、
写真まで撮らせていただきました。


現在不況に苦しむ、多くの企業のみなさんに聞いていただきたい内容でした。

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