追悼:井上ひさしさん

こあら

2010年04月12日 02:27

昨日、作家の井上ひさしさんがお亡くなりになりました。
ファンの一人として、井上さんの訃報をとても残念に思います。

私は、特に、井上さんが主宰なさっていた「こまつ座」が好きで、
学生時代から、いろんな公演を観ました。

「頭痛肩こり樋口一葉」
「日本人のへそ」
「きらめく星座」
「国語元年」
「泣き虫なまいき石川啄木」
「雪やこんこん」
「イヌの仇討」

どれも面白かった・・・


懐かしさがこみあげて、押入れにしまい込んでいた「the 座」を、探し出しました。

『むずかしいことをやさしく やさしいことをふかく 
     ふかいことをゆかいに ゆかいなことをまじめに書くこと』


この言葉がモットーの井上さんの戯曲には、いつも笑いがあり、
そのなかに辛口の批評があったり、人間の奥深さがあったりして、
最後にはいつも、得も言われぬ感動を味わっていました。

読み物の中で、私にとって珠玉の1冊は『国語元年』

この本の解説で、
演劇評論家の扇田昭彦氏が書いていらっしゃる
以下の文面には、深くうなずいてしまいます。

『人と人とを結ぶ最も重要なきずなとしてことばを考え、
 ことばを抜きにして、よりよい社会の状態は
 考えられないというところまで
 徹底して突きすすむのが井上氏なのだ』


幼少期から、激動の人生を歩まれ、数多くのエピソードをお持ちでした。
日本の文学界、演劇界、放送業界に大きな功績を残された井上ひさしさん。

これからも井上さんの作品に触れるとき、
あの親しみやすい風貌が、私達の心によみがえってくることでしょう。

関連記事