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2010年10月04日

素敵なデキゴト

それは、あるお店でのできごと。

姪の誕生日プレゼントにと、子ども達と一緒にマグカップを買いました。

「ラッピングは、セルフだと無料です。
 包装紙やリボンは、ご自由にお使いください。」

そう言われて、自分達でラッピングをすることに。

ラッピングコーナーで、娘や息子と、あーでもない、こーでもないと、
包装紙をくるくる回して、わいわいとはしゃいでいたところ、

「あの・・・お困りなら、お手伝いしましょうか?」

と、1人の女性が現れました。
若くて、スリムで、綺麗なヒトでした。

おそらく、私の目は点になっていたことでしょう。

「あ、もし、3人で楽しくされていたのなら、いいんですけど、
 私・・・仕事でラッピングをやっていたものですから、
 お手伝いできるのなら、と思いまして・・・」

女性は、そう申し出てくださいました。

本当は、私も出来る。(と、思う・・・)
でも、めちゃくちゃでも、子ども達と包んだという“手作り感”が出ればいい。

一瞬、私の頭にそんなことが浮かびました。

それでも、その女性の、さりげなく気遣ってくださる
素敵な申し出を受け入れたくなって、

「ぜひ、お願いします。」

そう答えていました。

「どんな風に包んだらいいですか?」

と聞かれ、どんな包み方ができるか尋ねたところ、
キャンディ風や、花束風などがあると言われました。

「実は、直接渡すのではなく、箱に入れて郵送するので、
 ヒラヒラがない方がいいかもしれません。」

私が申し訳なさそうに話すと、

「では、普通に包めばいいんですね。」

そう言って、商品と紙の大きさを比べ、包み始めました。
ゆっくりと、きっちりと折り目をつけながら・・・


その手元の美しいこと。

そして、ひとつひとつの動作が丁寧なこと。

その動きは、まるでスローモーションのように、今も私の脳裏に浮かんできます。


「どちらで、お仕事されていたんですか?」

「とっても、手がお綺麗ですね。
 紙を扱うお仕事って、手が荒れそうなのに・・・

 何か特別なケアをされているんですか?」

私は思わず、尋ねてしまいました。

彼女は、自分が勤めていたお店の名前を告げ、

「特別なケアなんて、していないんですよ。ただ、ハンドクリームを塗っているだけ・・・」

と、恥ずかしそうに、控えめに答えました。


胸元にラルフローレンのマークの入ったコットンの白いシャツ、
そして、ひざ上のベージュのキュロットに、黒いロングブーツ。

ロングの髪は、後ろでキュッとひとつにまとめていました。

シンプルなスタイルの中に、オシャレのセンスがきらきら光る女性。

丁寧な動きには、無駄がありませんでした。



「これでいいですか?」

そう言われるまで、すっかり見とれていた私。


何かお礼をした方がいいんだろうか?

そうも考えましたが、安っぽいお礼など、逆に彼女の好意を無駄にしてしまうに違いない。



「ありがとうございました。」

結局、頭を下げるのが、精一杯のお礼でした。


「いいえ、好きなんですよ、ラッピング」

そう言い残して、彼女は去っていきました。

素敵な、本当に素敵な笑みを残して・・・


「お母さん、あのお姉さん、とっても上手だね。」

「お母さんは、本当に素敵なヒトって、ああいう人だと思う。」

帰りの車中で、いつまでも、ふわふわとした余韻を味わっていた私たちでした。  


Posted by こあら at 01:20Comments(2)ライフ